カブトムシの幼虫を水槽や飼育ケースで育てることもできますが、大きな容器の場合、何匹かの幼虫を入れることになるため、1匹ずつの様子が観察しにくいこともあります。
そこで、オススメなのが、ペットボトルで1匹の幼虫を育てること。
観察もしやすく便利です。
今回は、カブトムシの幼虫を育てるのにペットボトルケースの作り方や発酵マットの交換時期についてまとめました。
ペットボトルで飼育ケースの作り方は?
ペットボトルを使って飼育ケースを作る方法として、2つの例を紹介します。
1つ目は幼虫1匹についてペットボトルを2本用意し、1本は飼育ケース、もう1本はケースを立てるためのスタンドとして利用するものです。
ケース用のボトルは、上下をさかさまにして使います。
2つ目は、ペットボトルを立てたまま飼育ケースとして利用し、一部を切り取って、それをフタとして使うものです。
どちらの例も、1.5リットル入りのペットボトルを用意してください。
ペットボトルで飼育ケースを作る 1
①ペットボトルの底を切り取り、飼育ケースを作る
ペットボトルは細菌などをふせぐためによく洗ったあと、キャップをしめてから使います。
飼育ケースを作るには、まず全体の1/4くらいの底側の部分をカッターなどで切り取りましょう。
このとき、カッターは動かさないで、ペットボトルを少しずつ回していくと、切りやすくなります。
ボトルの切り口がギザギザしていると、指や幼虫の体を傷つけることもあるので、ならめらかになるよう、ハサミなどできれいに整えましょう。
切り取った底はフタとして使いますが、幼虫を育てている時には必要ありません。
フタを利用するのは、サナギになったときで、底にしたフタ(切り口側が上になっている)をセロハンテープでしっかりとめましょう。
また、サナギから成虫になったときも、外に出ないようにフタを利用しますが、ペットボトルの底が平らなものよりも、デコボコしたもののほうがフタを作るときにやりやすいようです。
②スタンドを作り、飼育ケースを立てる
次は、底が平たくて安定しているペットボトルを用意し、飼育ケース用のペットボトルを立てるためにスタンドを作ります。
このボトルは、底側から2/5ほどを切り取り、スタンドがグラグラしないように、5~6カ所に1cm くらいの切れ目を入れましょう。
そして、切れ目の下側に、セロハンテープを輪にそってグルリと巻くと、ボトルがよりしっかりした状態になります。
次にスタンドに、キャップの口を下にしたペットボトルのケースを立てて、安定しているかどうか、確認してください。
スタンドの長さが足りないと、ケースが倒れやすくなるので、もう一度、スタンドを作り直すことになります。
スタンドを作るのが難しい時は、飼育ケース用のペットボトルがちょうど入る大きさのマグカップなどを、スタンドとして代用するといいでしょう。
ケース用のペットボトルをスタンドに立てたら、キャップをしめた石の上にぶさな岩などを入れて、キャップとのすき間を埋めて完成。
ペットボトルで飼育ケースを作る 2
1.5リットル用のペットボトルを用意しますが、炭酸の入っていたものは透明度が高く、形も作りやすいのでオススメです。
①まず、ペットボトルの上から1/3くらいのところに色のついたテープを貼り、そのテープの下にそってカッターなどで輪切りにします。
②そのあと、テープの部分をハサミなどできれいにすべて切り落とします。
③テープを切った上側の部分はフタとして利用しますが、このフタが飼育ケース用のボトルにすっぽりかぶされば、完成です。
フタを使うときには、空気穴になるようにキャップを外しておきましょう。
発酵マットの交換時期は?
幼虫を育てるときには、飼育ケースとともに発酵マットも必要ですが、市販のものなどを用意しましょう。
2つの方法のどちらかで作ったペットボトルのケースに、水で湿らせた発酵マットを8〜9分面くらいまで入れます。
幼虫が成長するときは、エサ(発酵マット)をたくさん食べるので、様子を見ながら「少なくなったかな?」と思ったら、マットを追加してください。
また、マットの表面にフンがたまったら、その部分を取りのぞき、新しいマットを入れましょう。
発酵マットの表面が乾いているかどうかを確認するには、指でマットを少しつまみ、軽く固まるようなら、問題ありません。
指でマットを少しつまんだ時に、乾いていたら、きり吹きなどで湿らせてあげましょう。しかし、あまり水分が多いと、カビが生えて幼虫が死んでしまうこともあるので、注意してください。
とくに、ペットボトルの上下を反対にしたケースの場合、キャップの所まで水が入っているようなら、水分の与えすぎなので、必ずキャップをあけて水を流しましょう。
自分で発酵マットを作る場合
市販の発酵マットを購入せずに、自分で発酵マットを作ることもできます。
しかし、マットを作ってから使えるようになるまで、1ヶ月くらいかかるので、時間がない場合は、市販のものを購入してください。
マットを作るときには、部屋の温度が 20 度以上あったほうが発酵もしやすいといわれます。
できれば、夏のうちに作っておくといいでしょう。
必要なもの
・市販の昆虫マット (未発酵のもの)
・小麦粉
・水
・容器
①容器に昆虫マットを入れ、そのなかに、小麦粉を10%よりも少なめの割合で加えて、混ぜ合わせます。(絞って水気を切る)
②作ったマットを容器に入れ、重しをして、虫が入らないようにアルミホイルなどでフタをしますが、フタには空気穴を何個か空けてください。
③しばらくすると、マットに熱がこもり、発酵が始まります。
④容器は暖かい場所におき、最初のうちは毎日1回、マットを軽くかき混ぜてください。そのままにしておくと、腐ってしまうこともあるので気をつけましょう。
⑤甘酸っぱいニオイがしてきたら、そのあとは2~3日に1回くらい、かき混ぜます。(ニオイが「くさい」と感じるうちは使えません。)
⑥1カ月くらい待ちましょう。
このほか、カブトムシを採集するために雑木林に出かけ、幼虫を持ち帰ったときには、同じ場所から取ってきた腐葉土や木クズなどをマットとして利用するのもいいでしょう。